曲げ加工とは

曲げ加工とは、抜きの工程で加工した材料を、プレスブレーキと呼ばれるベンディングマシンを使用し、平板の状態から立体形状へと変化させていく加工工程のことです。
プレスブレーキを使用した曲げ加工では、バックゲージに突き当てた材料をパンチとダイと呼ばれる2種類の金型で挟み込み、目標の角度まで徐々に圧力を加えていきます。

曲げ加工で作ることのできる加工形状はとても多く、基本的な曲げ形状は3つあり、それぞれ「V曲げ」「R曲げ」「ヘミング曲げ」と呼ばれています。

曲げ形状

V曲げ

基本的な曲げ形状の中で、最も一般的な曲げ形状が「Ⅴ曲げ」です。
「Ⅴ曲げ」は大きく分けると 1.パーシャルベンディング 2.ボトミング 3.コイニングの3種類の加工方法に分類する事ができ、1.と2.の方法をまとめてエアベンディングと言います。

  1. パーシャルベンディングは、主に目標の角度が90°に満たない、鈍角の曲げ加工を行う際に用いられます。
  2. ボトミングは最も多く使用されている加工の方法で、比較的小さい圧力で高い精度が得られる加工方法となっています。
  3. コイニングはボトミングより更に正確な曲げ精度や、極端に小さい内Rを得るために使用されることが多い加工方法です。ボトミングより高い精度の曲げ加工が可能ですが、圧力の調整が難しいこと・必要な圧力がボトミングの約5~8倍程度必要になること・高い圧力をかけるため金型に大きな負担がかかってしまう一面もあります。

R曲げ

R曲げは材料を丸みの帯びた形状に曲げる加工のことで、基本的な曲げの中でも難易度が高いとされており、1.R曲げ 2.FR曲げ 3.ロール曲げの3種類の加工方法があります。

  1. R曲げは、プレスブレーキにRのついた専用の金型を取り付けて加工する方法です。一般的なV曲げのように短時間でのR曲げが可能となりますが、金型の製作をしなければならなくなる場合もあります。
  2. FR曲げは、プレスブレーキで専用の金型を用いずにRの加工を行う方法です。送り曲げとも呼ばれ、その名の通り材料を少しずつ送りながら小さな曲げを繰り返すことで、目標のRへと近づけていく方法となります。FR曲げでは通常のR曲げのように専用の金型を必要とせず、汎用の金型で加工できるという大きなメリットがありますが、加工に時間が掛かるというデメリットもあります。
  3. ロール曲げは、平板の状態の材料を3本のローラーの間に通すことで、板に丸みを付けていく加工方法となります。こちらは比較的大きいRを付けたい場合などに使用しますが、通常のR曲げと同じように、専用の機械が必要となります。

ヘミング曲げ

ヘミング曲げとは材料の端を180°折り返し、押しつぶす加工方法です。
ヘミング曲げは、Ⅴ曲げやR曲げと比べて、端部のエッジを無くし安全面の確保をする目的や、強度を増すといった目的から工程に取り入れる事が多い加工となります。

リ・フォースの特徴

曲げロボットシステム

リ・フォースでは工場の自動化を進めており、その方針は曲げ工程にも大きく反映されています。
リ・フォースでは曲げロボットシステム「ASTRO 100NT」「EG 6013AR」の2種類のロボットを計5台保有しています。
各種ロボットには自動金型交換機能が搭載されており、あらかじめプログラムしておいた図面データのプログラムコードを入力することで金型の交換をしてくれます。
加工に関しても曲げ順番・寸法数値・圧力数値等が上記のプログラムコードに紐づけされており、金型の交換後すぐに加工を開始する事が出来ます。材料の補充や完成品の回収は人間の手で行う必要がありますが、24時間の自動運転も可能なロボットとなっています。
ロボットでの加工中は、オペレーターは違う作業をする事もでき、生産性が非常に高いロボットといえます。

ハイブリットベンディングマシン

曲げロボットシステム同様、自動金型交換機のほか、角度センサー及び荷重制御機能のついた「HG1003ATC」を導入することで、多品種小ロットのアセンブリ生産に対応可能となりました。
また、TDS(板厚検知機能)がついているため、板厚の細かいバラつきも自動で読み取り、テーブル位置を自動で調整することで、安定した加工をすることが可能となっています。
さらに、プログラムを5つまで同時に読み取り、金型のセットをすることが可能なため、効率よく、多品種の生産を行う事が出来ます。

パネルベンダー

パネルベンダーの大きな特徴はその曲げ方にあります。前述のとおり、通常のプレスブレーキではパンチとダイと呼ばれる2種類の金型で挟み込み、目標の角度まで徐々に圧力を加えていくことで加工を行います。しかし、パネルベンダーではパンチが上下についているほか、ブランクホルダーという材料を押さえつけて固定する装置が付いており、これで固定したものに対し正方向への曲げはもちろん、逆方向への曲げも行う事ができます。
材料を押さえつけることで、通常のプレスブレーキで起こる「跳ね上がり」という現象がパネルベンダーでは起こらず、そのため大きいサイズの物、特に2人で作業しなければ加工できないようなものも、1人で作業することが可能になります。

簡易金型の製作

リ・フォースでは製品を製作するにあたって、別途専用の金型を要する場合に、簡易金型を製作することで対応することも可能となっております。
簡易金型といっても、「品質が悪い物が出来てしまう」なんてことはありません。
短期の案件等でご依頼頂くことで、本来であれば数十万円かかる金型代を限りなく抑えながら、製品を製作することが可能です。
もちろん、金型屋へ依頼する形で金型を製作することも可能となっておりますので、お気軽にご相談ください。


リ・フォースでは上記の機械を含め、計28台の曲げの機械を保有しています。